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プレミアリーグ優勝!マンチェスター・Cの20−21シーズンを振り返り

遂にマンチェスター・シティが2年ぶりにプレミアリーグ王者に返り咲いた。

1992年のプレミア創立以来5度目のチャンピオンとなった王者のシーズンを振り返っていこう!

本記事のテーマ

    20−21シーズン プレミア王者
    マンチェスター・シティのシーズン振り返り!

クラブ情報

    創立年      : 1880年
    クラブカラー   : 水色
    ホームタウン   : マンチェスター
    ホームスタジアム : エティハド・スタジアム
    収容人数     : 55097人
    監督       : ジョゼップ・グラウディオラ

運営元はシティ・フットボール・グループであり、
傘下にはマンCを始めメルボルン・シティ、ニューヨーク・シティなどがいる。

日本では横浜F・マリノスが傘下に入っており、
マンCとはグループクラブにあたる。

開幕前の評価はS級!各ポジションにワールドクラスを配置

昨シーズンはコンパニの退団に加え守備陣に怪我人が相次ぎ、守備の不安定感を度々指摘された。

勝ち点の取りこぼしも目立ち、結果リヴァプールに独走を許した。

そうした中でシティはリーグ制覇は勿論、CL制覇を最大の目標に掲げ人員整理を敢行。

そこでまずは各ポジションごとの開幕前の補強ポイントを整理していこう。

DF

まず最初にシティが手をつけたのはDFラインだ。

昨シーズンは最後までコンパニの抜けた穴を埋めることが出来ず、新シーズンに向けてDFリーダーの確保が急務であった。

かねてより噂のあったクリバリの獲得には至らなかったが、ボーンマスからナタン・アケを獲得。

さらにベンフィカよりルベン・ディアスの獲得に成功。
※ルベン・ディアスはシーズン途中に加入

アケは怪我により早期に離脱してしまったが、ルベン・ディアスの獲得はシティに大きな成功をもたらすことになった。

ジョン・ストーンズと組んだCBはリーグ最高のコンビとも呼ばれるようになり、守備の安定感に加えビルドアップ時にも大いに貢献。

失点数も大幅に減少し、リーグ最少失点を誇る最強の盾を手に入れた。

 

MF

シティで一時代を築いた名手ダビド・シルバが退団し、彼の抜けた穴を心配する声も目立った。

しかしシティの中盤には既存戦力で戦えるほどのメンバーが既に揃っている。

ロドリ、フェルナンジーニョ、イルカイ・ギュンドアン、ケヴィン・デ・ブライネ、ベルナルド・シウバ

彼らに加え昨シーズン途中から覚醒したフォーデンも戦力として数えることができ、既に盤石の体制だ。

FW

こちらも既に昨シーズンから十分な戦力が整っていると言っていいだろう。

セレソンアルビセレステスリーライオンズのエース級を抱えており、オプションではフォーデンを始めMFの選手もCFの位置でプレー可能だ。

レロイ・サネをバイエルンへ放出したものの、近年は怪我の影響で試合に出場して居なかったため影響はないだろう。

補強はバレンシアよりフェラン・トーレスを獲得しただけに留まっており、補強ではなく戦術の落とし込みに時間を費やした。

 

リーグ戦振り返り

ここからはマンチェスター・シティの20−21シーズンリーグ戦を前半・中盤・後半に分けてざっくり振り返っていく。

前半戦 ペップシティ終焉の影

リーグ開幕前から優勝候補の一つとして数えられていたシティ。

開幕戦のウルブス戦に3−1で勝利したものの、第三節のレスター戦では2−5の敗北
※日程の都合上第二節のウルブス戦が開幕戦

さらに昇格組のリーズ相手に1−1で引き分けるなど、リーグ戦14位まで低迷。

その後も支配率では圧倒するものの、勝ちきれない試合が続く。

昨シーズンから続く守備の不安定感もさることながら、得点が取れない。

過去には1シーズンで100得点を決めていたシティの攻撃が嘘のように決まらない。

スケジュールの関係で休養期間・準備期間ともに不十分のまま新シーズンに突入したことも大きな原因の一つだろう。

そして昨シーズン限りで退団したシルバの抜けた穴も想像以上に大きかった。

狭いエリアでもボールを失わず決定的なパスを供給し、チャンスとあればPA内に侵入しゴールを狙う。

デ・ブライネが果敢に動き回りボールを供給しようとするが、どうも攻撃がちぐはぐになっている印象が拭えない。

それほどにシルバのスキル・インテンシティは群を抜いていたのだろう。

それでもやはり名将ペップだ。試合を重ねるごとに選手のポジションを修正し徐々に攻撃を活性化させていく。

ジョン・ストーンズが怪我から復帰しCBのポジションに入ると守備の安定感が向上。

さらにビルドアップ時の安定感も向上し、シティの攻撃力は一層高まっていった。

 

中盤戦 優勝への切り札

守備の安定感とともに攻撃力も本来の姿に戻りつつあったが、最後のところで決めきれない試合が続く。

やはりここでも名将ペップが動き出す。
ペップの代名詞である戦術「偽SB」を進化させたのだ。

従来の偽SBではビルドアップ時にSBを中央に絞らせ中盤に厚みをもたせる戦術であった。

新システムではそこからさらにポジションを上げ、IHやWGの位置にポジション取りを行いファイナルサードでの数的有利を作り出すことに成功。

後に「カンセロ・ロール」とも呼ばれるようになったこの戦術によってシティの攻撃は鋭さを増すことになる。

カンセロがIHに入ることで相手のマークが付ききれなくなる他、デ・ブライネがよりゴール前でプレーできるようになりペップシティの真骨頂であるポケットへの侵入も増えていった。

シティの攻撃が活性化した要因はこれだけではない。

アグエロとジェズスがコロナや怪我の影響で不在の中、シティはゼロトップシステムを採用した。

CFを配置せずに流動的にポジションを入れ替えながらボールを回していく。

その中で存在感を示したのがギュンドアンだ。

ギュンドアンはIHを主戦場としながら機を見てCFの位置までポジションを上げると、まるで生粋のストライカーのようなボールタッチを見せてゴールを量産し、CF不在の穴を完璧に埋めてみせた

終わってみればチーム最多の12得点を記録している。得点力不足のチームにとってまさに救世主的存在となったのだ。

 

後半戦 調子を崩さずトップフィニッシュへ

前半戦から尻上がりに調子を上げてきたシティ。

後半戦の2021年1月には全コンペティションで合計9試合が組まれており、連戦による疲労から失速することが予想された。

しかしシティは1月の9連戦を連勝し、徐々に他チームを突き放しにかかる。
CLでも危なげなく勝ち残るなど、圧巻の強さを誇りました。

ユナイテッドがプライドを見せるもシティとの差は最後まで縮まらず、リーグ戦第35節でユナイテッドがレスターに敗戦したことで見事プレミア王者に返り咲きました

 

シティ優勝のポイントは?

シティ優勝のポイントはいくつかあるが、大きくは以下の3つだろう。

  • ①鉄壁CBコンビの完成
  • ②新戦術「カンセロ・ロール」
  • ③エースの不在

 

優勝のポイント①:鉄壁のCBコンビの完成

DFライン再建の救世主として大いに期待されて加入したルベン・ディアス

そして昨シーズンレギュラーを掴みかけたものの、シーズン途中の怪我で長期離脱を強いられたジョン・ストーンズの復活

この二人の存在が今シーズンのシティを支えていたのは火を見るより明らかだ。

昨シーズンのシティはコンパニの抜けた穴を埋めることが出来ず、守備が崩壊していた。

圧倒的にボールを支配するものの、カウンター一発で敗北してしまう。
そんな試合が非常に多かった。

まるでアジアを相手にする日本代表のように守備がバタバタしていた。

20−21シーズン開幕直後もカウンターでの失点が目立ちCB問題が解決していないように見えた。

しかし前述した二人の若きCBが揃うとシティの失点数は激減。
最終的にリーグ最少失点に抑えることに成功した。

またかねてより足元の技術に定評のあったジョン・ストーンズ。
ディアスもペップ好みの技術を持つCBだ。

この二人がCBに入ることでビルドアップ時にも優位にボールを運ぶことが出来たのは間違いない。

ジョン・ストーンズのパス成功数はリーグトップ
ディアスに関してもパス本数でリーグトップの数字を叩き出している。

ペップの求めるパスサッカーにおいて、まさに理想のCBコンビが誕生した。

 

優勝のポイント②:新戦術「カンセロ・ロール」

20−21シーズン、シティに新たな戦術が生まれた。「カンセロ・ロール」だ。

ビルドアップ時にSBが内へ絞る偽SBをさらに進化させ、IHやWGのポジションを取らせた。

偽サイドバッグ

従来の偽SBはビルドアップ時にSBの片方(もしくは両方)が内へ絞り、アンカーがやや下がったポジショニングを行うフォーメーションだ。

ペップがバイエルン時代に考案した「アルバ・ロール」という戦術が進化したものである。

もちろん状況によって変化するためこう単純な話ではないが、大枠を捉えることができれば十分だ。

カンセロ・ロール

ビルドアップ時は偽SBのスタイルと同様にカンセロが中央に絞ってプレーする。

ファイナルサードでは更に一つポジションを上げてIHのポジションでプレー。

こうすることで中央のデ・ブライネやギュンドアンがより自由にプレーすることができる。

またボールサイドで数的優位を作れるため、シティの理想とするパスサッカーを実現できる。

左サイドでボールを回しつつ、フリーになったカンセロからポケットへラストパスを供給するシーンが何度も見られた。

また左SBのジンチェンコから右サイドのシウバやマフレズへサイドチェンジを送ることもしばしば見られた。

上記に加え下図のように右WGが中央に移動した場合は、そのままカンセロが大外に張る動きを見せるなど柔軟にポジションを変更することができる。

このように数的優位 + ポジションの流動性を加えることで、相手のマークを付き辛くさせよりスムーズなボール回しを実現させた。

 

優勝のポイント③:エースの不在

20-21シーズンを圧倒的強さで優勝したシティだが、得点王ランキングを見るとシティの選手を見ることができない。

最高順位はギュンドアンの10位となっている。

アグエロとジェズスがコロナや怪我の影響で離脱し、ストライカー不在による得点力不足に悩んだシティ。

それでもCFにストライカーを配置しないゼロトップシステムを多くの試合で採用し、リーグ戦ではリーグ最多の得点数を誇った。

得点を量産するストライカーが不在の代わりに、周りの選手がストライカー級の活躍を見せることでアグエロ・ジェズスの不在を埋めたのだ。

エースの不在とあれば、当然チームの得点力は低下するもの。

しかしペップシティはスキル・インテンシティ・タクティクスこの3つの要素でストライカー不在であっても点が取れることを証明してみせた。

 

まとめ 圧倒的覇者マンチェスター・シティ

2年ぶりにプレミア王者となったマンチェスター・シティ。

昨年のリヴァプールと同様、他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけた。

今回はシティのリーグ戦総括と優勝出来た大きなポイントを紹介した。

ペップから生まれる戦術は毎回驚くべきものが多いが、それを体現できるシティの選手も非常に素晴らしい。

今後もサッカー界に斬新なアイデアと高いクオリティを提供してほしい。

そうすることがサッカー界全体のレベルアップに繋がるだろう。

 

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